概要
Pix4d Mapper Proは、3次元点群とオルソ画像の他に、数値表層モデル(DSM:Digital Surface Model)と数値地形モデル(DTM:Digital Terrain Model)を出力することができます。この記事では、これらのデータを国土地理院の数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)と比較した上で利用方法について検討します。
使用したデータ
国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)
FG-GML-3927-25-DEM5B.zip(5mメッシュ標高)
ドローン写真
撮影機材:Phantom4
撮影高度:対地40m(GSD:1.75cm/px)
※土地の管理者の許可を得た上で撮影しています
※GCPを設置し、GNSSローバーで座標取得しています
DEMについて
数値標高モデル(DEM)により、地盤の高さを調べることができます。
DEMは国土地理院の基盤地図情報ダウンロードサービスから入手できます。
ダウンロード先(外部リンク)https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php
ダウンロードしたデータは、公共測量ビューア・コンバータ(PSEA)で閲覧可能ですが、今回はQGISで閲覧するため、株式会社エコリス様が公開している「基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツール」を使用しました。
PSEAで浦添市のDEM(5mメッシュ)を読み込んだイメージ
DEMを「基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツール」でGeoTIFFに変換し、QGISで読み込んだイメージ
地形を見やすくするため、QGISでGeoTIFF DEMから1m間隔の等高線を生成したイメージ
Pix4dで作成したオルソと等高線を重ねたイメージ
DSMについて
数値表層モデル(DSM)により、建物や樹木を含む地表の高さを調べることができます。
DSMはPix4Dからも生成することができます。
出力形式はGEOTIFF,shapefile,PDF,DXFです。※Version4.0.21で確認
下図のとおり、樹木の高さや形状を確認することができます。
オルソ画像に1m間隔の等高線を重ねたイメージ
DTMについて
数値地形モデル(DTM)はDEMと同じ意味で使われています。
Pix4DからもDTMの生成が可能で、DSMと同じように、GEOTIFF,shapefile,PDF,DXF形式で出力が可能です。 ※Version4.0.21で確認
DTMを生成する際、Pix4Dは、3次元点群データを地面・路面・樹木・建物・人工物の5つにクラス分けして、そのうち樹木・建物・人工物を除去しています。
DSMとDTMを重ねることで、樹高を推測することができます。
オルソ画像にDTM(1m間隔の等高線)を重ねたイメージ
DTM(オレンジ)とDSM(青)を重ねたイメージ
DTMの利用について
国土地理院でダウンロードできるDEMは、10mメッシュと5mメッシュの2種類のデータがあります。5mメッシュの方が高精度ですが、提供されている地域は限定されています。
5mメッシュと同じ様にDTMを使うことができれば、ドローンを活用する機会が増えそうです。下図のようにDEMから生成した等高線とDTMから生成した等高線を重ねてみました。
DEM(赤)とDTM(オレンジ)を重ねたイメージ
国土地理院のDEMとPix4Dから作成したDTMは、ほぼ同じような地形データになっていることが確認できました。
Pix4dで生成したDTMは5mメッシュの代替として使うことができそうです。
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